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Pathetic Grail:C・マテリアル

Last-modified: 2017-10-11 (水) 00:03:15

各トレーラー

サーヴァント

NPC

姫宮 依乃(ひめみや・よりの)

  • 年齢:17
  • 身長:154cm / 体重:50kg
  • 属性:秩序・善
  • 特技:カラオケ
  • 好きなもの:優しい人
  • 苦手なもの:乱暴な人
  • 天敵:アサシン
    • どこにでもいるが、彼女にしかできないことをした女子高生。キャスターの真のマスターというべき女性。
      聖杯に選ばれた生贄の聖女。

    • 作中より半年前にヘリアム・グロウディーの手によって引き起こされた船舶事故に巻き込まれ、人見を始め彼女たち427人は海へと投げ出され、死を待つばかりだった。
      その際に皆が抱いた「死にたくない」という400以上もの共通の願いに呼応して大聖杯は起動し、姫宮は小聖杯として選ばれた。

    • いや、実際には選ばれたのではない。姫宮が選び取ったのだ。
      小聖杯になるためには一定以上の魔術的資質を必要としていたが、それは何も姫宮一人しかいないわけではなかった。何もしなければ彼女は他の皆とともに安全な大聖杯の中で眠りにつくことができたのだ。
      しかし彼女はそうしなかった。たった一人だけマスターとして選ばれてしまった人見と、沈みゆくクラスメイト達を守るために、自分から小聖杯になることを志願したのだ。たとえその先に待っているのが自身の避けられない死であるとわかっていたとしても。

    • 小聖杯となった彼女は人見ともパスが繋がっており、作中での人見の支援能力はその影響によるもの。聖杯の願望機としての機能を無意識のうちに使わせることで彼がマスターとして戦えるようにしていた。

その他の人間関係

  • キャスターのことは心から信頼していた。偏屈な語り口で一見すれば人嫌いのように見える彼だが、その言葉の中心には常に彼女たちへの気遣いが存在していたからだ。
    そしてそんな彼女だからこそ、キャスターは自らの真名を話し、彼女の希望通りの動きをしていた。
    たった一人だけ聖杯に選ばれ、マスターとして半年もの間島の中で取り残された人見好一を守るために、彼は宝具を駆使して優しい幻の中で彼を守り続けていた。

  • 人間でありながら小聖杯という道具に徹し、命すらなげうつ覚悟だった彼女に対してアサシンは敬意を払っていた。しかし姫宮からアサシンに対してはその境遇と悲哀に同情こそすれ、その存在と所業に対しては恐怖の対象でしかなかった。文字通り殺人のためだけに存在しているアサシンの在り方は、ただの女子高生にとってはあまりにも理解の外すぎたのだ。両者の関わりが、会話する暇もない一瞬の邂逅で済んだことはお互いにとって幸運なことだっただろう。

  • 人見と相模に対してはとても大切な友人だと思っている。彼女の日常の象徴として、帰るべき場所として、強い思いとともに彼らのことをいつも考えていた。すべてが終わったとき、その傍に自分がいないことを理解しながら、その恐怖を押し殺すために。

聖杯への願い

  • 彼女自身が聖杯であると言えるため、成立しない。強いて言うのなら、みんなが無事に帰れるように。
    私が傍にいなくても大丈夫でありますように。

こぼれ台詞

  • 「君が抱くその苦しみに意味などない。すべては間の悪い不幸な事故なのだから。
    君がその役目を放棄したところで責められる者など誰もいないだろう」
  • 「…………」
  • 「君はもっと、楽になっていいはずだ」
  • 「いいえ。きっとこれが一番楽だったんです。みんなのために何かができてるっていうことが。
    私だって戦えてるってことが。だって、何もできないまま待つだけだなんて悲しいもの」
  • 「……それでもね。君がいなければ、彼らの勝利も無価値なものに成り下がるんだよ。マスター」

相模 武(さがみ・たけし)

  • 年齢:17
  • 身長:176cm / 体重:68kg
  • 属性:秩序・中庸
  • 特技:野球
  • 好きなもの:おふくろの味
  • 苦手なもの:彼女の味
  • 天敵:キャスター
  • どこにでもいる普通の高校生。キャスターのマスターのうちの一人。人見のクラスメイト。きっとさわやかスポーツマン。船舶事故の影響で大聖杯の中で眠り続ける426人(船に乗っていたのはヘリアムと人見も含めて428人)のうちの一人。

  • 聖杯戦争を成立させず、時間切れのお流れを狙うために仮初の学校を顕現させ、いかにも何か秘密がある風に装い時間稼ぎをしていた。戦いとなれば人見が殺される危険性は高く、悪しきものが勝利者となれば無防備な自分たちがどのような目に遭うかもわからないためだ。
    その上、場所は絶海の孤島。目が覚めたとしても400人以上もの人間を養う余裕はこの島にはなく、過酷な自給自足で生きていけるかどうかもわからない。ならば聖杯の中をシェルターがわりに助けが来るまで眠り続けることを選択したというわけだ。

  • その為に姫宮とキャスター、その他眠り続けている生徒たちと協力して、聖杯の力で疑似的な肉体を構成して島の中であれこれ奮闘していた。

  • とはいえ、いかんせんGMはこういう普通の学生の描写が苦手なので姫宮ともどもあんまり目立たせられなかった。反省。

その他の人間関係

  • キャスターのことはあまり信用していなかった。口調は常に胡散臭く値踏みするような話し方をするため。とはいえ根が善良なので無意味に彼の足を引っ張るような真似はしなかったし、アサシンに殺された時も本気で心配していた。

  • 人見・姫宮の二人に関しては心から大切に思っている。それこそ代われるものなら代わってあげたいと思い続け、それを負い目として抱え続けるほどに。

  • 後輩のマネージャーとかと付き合ってるんだぜきっと。リア充見えないところで幸せにな。

聖杯への願い

  • 日常への回帰。誰一人欠けることなくもう一度あの日々へ。

こぼれ台詞

  • 「協力してくれるのはわかったけど、お前は結局何がしたいんだよ」
  • 「面白い事件記録を見るのは私の趣味だからね。ありきたりだが創作意欲のためというやつさ。当事者になるとは思ってもみなかったがね」
  • 「……じゃあ、この状況を面白がってるってことか」
  • 「否定はしない。それに私自身叶えたい願いもあるしね」
  • 「願いってなんだよ」
  • 「無論ネス湖のネッシーをこの眼で見ることさ! 旅行嫌いの私が勇気を出して足を運んだのに徒労に終わったのだからね! いやぁ、あれを無駄足にするには人生唯一の旅行というファクターは惜しすぎる!」
  • 「絶対嘘だろそれ!」

メリエルム・エーデルリッゾ

  • 性別:女性
  • 年齢:21
  • 身長:149㎝/体重:46㎏
  • 属性:秩序・善
  • 特技:ガーデニング
  • 好きなもの:妹にまつわるもの全部
  • 苦手なもの:苦いもの
  • 天敵:父親
    • ランサーとアーチャーの二騎のサーヴァントを従えたマスター。シェリウムの双子の姉。愛称はメリィ。美しい金髪と恵まれえたスタイルを持ち、ぱっちりとした瞳の活発的な女性。人見との初遭遇は猫被ってた。あとバイ。

    • エーデルフェルト家の分家筋にあたるエーデルリッゾ家の現当主。優良な魔術回路と、一族に伝わる魔術刻印を十全に扱える一流の魔術師。
      世界中の争いに首を突っ込んでは成果を強奪する「地上で最も優美なハイエナ」ことエーデルフェルトの分家よろしく、彼女もまた各地の争いに介入しており、荒事には慣れていた。
      各地を転々として何かを探し求めるように戦うその必死さが、寿命の短い妹の存在によるものなのは想像に難くないだろう。

    • 妹のことを病的なまでに溺愛しており、妹が男に触れられることを絶対に許容しない。それは父親ですら例外ではない。その姉妹愛は実際に肉体関係を持ってしまうほど。頭に「?」を浮かべた妹を「いずれ来る二人の融合の練習のためシンクロ率を上げて云々かんぬん」という言い訳の元押し倒した。割と犯罪である。

その他の人間関係

  • 戦いから戻ったときには妹手ずから入れる紅茶と彼女自身を楽しむ時間を決して欠かさず、オフの時にはシェリウムに身も心も溺れている立派なダメ人間と化している。両親との折り合いが決していいとは言えないこの姉妹にとって、互いの存在こそが最大の癒しと言えるのだ。とは言うものの、その心が完全に通じ合っているとは言い難いのだが。

  • それが顕著に表れているのは両親への対応である。メリエルムは、妹を失敗作と断ずる父親を激しく憎悪し、妹の境遇に涙する母親には同情的だ。一方シェリウムは失敗作の自分をなじるという当然の行いをしているに過ぎない父親には思うところはなく、自分を哀れみ姉に悲しみを伝播させる母親を心底鬱陶しがっている。

  • ランサー、アーチャー共に命をかける相手として強い信頼を置き、よく話をしていた。特に大切な妹を任せるアーチャーに対してはことさらに優しく接していた。

  • ランサーがその内に抱える空虚に関しては気が付いていたものの、彼女には自分がいかに妹を愛しているか、彼女のためなら何ができるかを語ることくらいしかできず、彼との対話によってその空白を埋めることはできなかった。
    愛無きランサーにはどれほどの愛を語られてもそれは対岸の火事でしか過ぎないのだから。とはいえ妹のことを語るメリエルムの楽しげな様子には好ましく思ってはいたし、他の誰がマスターになったとしても同じ結果になっただろうが。

聖杯への願い

  • エーデルリッゾ家の目的、「双子という不完全な人体の完全な合一による真なる人の創造によってもたらされる根源への到達」の達成により妹と融合を果たし、その命を救うこと。
    だが、愛するものと真に一心同体となったそのとき、彼女の胸に去来するものは果たして何だったのか――

こぼれ台詞

  • 「シェリィは本当に可愛いの。目に入れても痛くないくらい。食べちゃいたいくらい可愛いの。って言うか食べたわ! 性的に!」
  • 「メリィ。食べるのならば人間よりもトウモロコシにするべきです。それは冥府の者の行いです」

シェリウム・エーデルリッゾ

  • 性別:女性
  • 年齢:21
  • 身長:148㎝/体重:42㎏
  • 属性:混沌・善
  • 特技:時間つぶし
  • 好きなもの:ちまちました作業、姉
  • 苦手なもの:辛いもの
  • 天敵:母親
    • アーチャーの本当のマスター。童貞を勘違いさせる系女子。メリエルムの双子の妹、愛称はシェリィ。外見は活動的な姉とは対照的にいかにも深窓の令嬢といった雰囲気を纏っている。銀髪に糸目の、肉付きの薄いスレンダーな体つき。

    • エーデルリッゾ家の目的、「双子という不完全な人体の完全な合一による真なる人の創造によってもたらされる根源への到達」のためだけに生かされていた女性。姉とは違い魔術の才能に恵まれず、短い寿命を知りながら、幽閉のような形で家での日々を過ごしてきた。
      だが一方で当の姉からは病的ともいえるほどの愛情を注がれており、その境遇に不満を持ったことなど一度としてなく、自らの人生に大いなる感謝と愛情を抱いていた。

    • 性格は非常に天然で、基本的に押せ押せな性格の姉に任せっきりにする。しかし根っこの部分ではしっかりしており、この姉妹の関係で実際に手綱を握っているのは実は妹の方である。姉の方は「自分がいなくては妹は生きていけないだろう」と思っているが、実際にどちらか片方がいなくなったときに心が壊れるのは姉の方なのだ。

    • 作中時間で既に半年持たないと知らされている自らの寿命を受け入れている彼女にとって、死とは身近なものであるため、姉とはその点における心構えが違う。妹は戦いの先に姉を失ったとしてもその悲しみを受け入れ、残りの時間を前を向いて生きていけるが、姉は妹を失った瞬間にその時間が止まってしまう。

    • 女同士、ましてや姉妹同士で肉体関係を持つことに関してはちょっとおかしいかなとは思っていたものの、「お姉様が幸せそうだからいいか」と流している。なんか必死になってるお姉様可愛いし。

その他の人間関係

  • アーチャーとは、基本的に人任せ同士としてとても気が合っていた。しかし、根っこの部分では主体性のあるシェリウムに対して、根っこから主体性のないアーチャーは「この人は……うまく言えないけど凄い。とても凄い」と尊敬されていた。

  • 自らを誘拐したヘリアムとライダーに対しても特に憎むことはなく、「そういえばいつか捕らわれの私を助けに向かうのが夢ってお姉様言ってたなー」と本人が既に忘れているような発言をもとに悠然と待っていた。
    「アーチャーさえいれば君に何かして貰う必要はない」というヘリアムの言葉を額面通りに受け取り、本当に何もしなかった。タフネス。

聖杯への願い

  • 実際にそうなるまでは願うことすらなかったが、姉の願いが叶い、二人の融合が果たされたならばシェリウムにも聖杯の使用権は与えられていた。これは『聖杯の所有者と同一人物になった』ことによる恩恵である。
    そのとき彼女は少しだけ考えたのちにこう願っただろう。「すべての命が、自分の寿命を知った状態で生まれてきますように」と。

  • これは「自分の残り時間を知っていたからこそ、自分なんかでも正しく真っ直ぐ生きられたのだ」という経験則に基づく願いである。「だから、みんな自分の寿命を知ればきっと世の中良くなる」というほんのささやかな彼女のおせっかいだ。

  • だが、自分のことを誰よりも弱いと思っている彼女は知らない。自分の残り時間を突きつけられた人間みんなが彼女のように強くは生きられないなんてことを。

こぼれ台詞

  • 「あ、可愛い兎さんだわ。お姉様、食べるのは私じゃなくてあの子にしましょう。とっても美味しそうよ」
  • 「シェリィ、私狩りは大の得意です! 任せてください!」

葛木 征二郎(かつらぎ・せいじろう)

  • 年齢(推定):40代前半
  • 身長:180cm / 体重:70kg
  • 属性:中立・中庸
  • 特技:格闘技
  • 好きなもの:特になし
  • 苦手なもの:特になし
  • 天敵:なし
    • 2004年の聖杯戦争に参加していた葛木宗一郎その人。ただしFate/unlimited codesキャスタールートから続く彼のため、原作の彼とはいささか以上に事情が違う。

    • かのルートの顛末では、彼が召喚したキャスター・メディアが優勝し、聖杯を使用している。用途は自らのマスター・葛木宗一郎の蘇生。聖杯戦争途中で致命傷を受けた彼を、メディアは自らを犠牲にしてまで聖杯を起動して助けたのだ。
      そして残されたのは戦争の爪痕と、朽ち果てた殺人鬼だけだった。

    • “誰か”の為になりたかった葛木宗一郎は何の為に生かされたのか。彼女は何を思い、何を成して消えていったのか。
      残されたものには窺い知ることはできない。残されたものから想像することしかできない。
      そして、それが正しいという保証もない。だから彼は確かめることにした。 冬木の地を去り、あてのない旅へ。魔術の存在、神秘の意味、英霊召喚、聖杯戦争。かつて自分と関わり、さりとて決して密接ではなかった概念について学び、探し求めた。正式なマスターになるためには魔術師にならなければならないと知れば、魔術回路とやらを作り出す方法さえも探した。

    • その過程で出会ったのが、ヘリアム・グロウディー。孤島聖杯戦争を起こさんと目論む魔術師だった。
      葛木宗一郎の来歴と目的を知ったヘリアムは、彼にマスターの一人として参加することを要請する。その為に必要な魔術回路は自分が“改良”してあげようと。彼は葛木がキャスターを呼ぼうとしていることを知りながら、まともなキャスターは決して呼ばれない己の聖杯戦争へと誘ったのだ。ただ参加者の一枠を安全に埋めるためだけに。

    • そのような運命の悪戯によって彼は聖杯戦争へと再び身を投じることとなり――そしてアーチャーと出会うこととなる。

その他の人間関係

  • 彼が召喚したのは今回の聖杯戦争における二人目――正確には一人目だが――のアーチャー。ロンクンドであった。
    何の触媒も用意されない召喚であり、キャスターはすでに埋まっていたこともあったため「ある女との再会を望む」共通点から、彼が呼ばれることとなった。

  • 雄弁なアーチャーと寡黙な葛木。互いに正反対の性質だが、共に歩むものとしての相性は決して悪くはなかった。

  • 本編では学校が出現し、教師と生徒として潜入することを選択したが、そうでなければ常に森の中に潜伏し、宝具の一部を貸与されてサーヴァントにすら通用するようになった拳法と、多数仕込んだロンクンドの罠によりゲリラ的に他陣営を殲滅する葛木たちという、凶悪なコンボを披露する二人が見られたかもしれない。

聖杯への願い

  • キャスターの召喚こそが目的だったため、聖杯に何かを願うという発想そのものがなかったかもしれない。

こぼれ台詞

  • 「どうよ葛木の旦那。今日の獲物はなかなかの上物だ。美味いだろ?」
  • 「ああ」
  • 「俺の時代よりも獲物が取りやすく丸々太って美味いときたもんだ。全くいい場所だねここは」
  • 「そうか」
  • 「まぁ、気にかかるのは妙に肥沃すぎるってところか。これも聖杯によるもんか、それとも何か……あ、こっち焼けたぞ」
  • 「貰おう」
  • 「大地の流れの要所は陣取ったからそいつと繋がってるらしい大聖杯とやらに先回りされることはないだろうがここから――来たか」
  • 「そうだな。アーチャー、お前はそちらから回れ」
  • 「あいよ――――――――あれは……修道女? 聖堂教会の人間ってやつか?」

ヘリアム・グロウディー

  • 性別:男性
  • 年齢:28
  • 身長:178㎝/体重:71㎏
  • 属性:中立・悪
  • 特技:ビリヤード
  • 好きなもの:作り替えること
  • 苦手なもの:作ること
  • 天敵:生産者
    • 今回の孤島聖杯戦争の仕掛け人にして、“改良”の起源覚醒者。
      起源覚醒によって「一から物を作ること」「既存品の量産、模造」などの行為が不可能となっている。これは彼の起源が「良く、改める」ものであるため、何かを作る時には必ず一定以上の変化を加えなければならないという制約によるもの。物品Aをモデルに作ろうとすれば、できたものは必ず物品A´ないしは物品Bが作られるのだ。
      創造は許されず、模倣では終われず、彼の技術は誰も量産には繋げられなかった。
      立ち止まることも振り返ることもその身体にはできない。起源に縛られたこの身はただひたすらに今ではない先、「より良いもの」を追及し続けるのみ。目に映るものすべてが不完全に見え、生物ですら「より良いカタチ」にできることに気づいたときに、彼はこの世界を見放した。

    • そして2004年、その技術力を見込まれて調査へと送り込まれた冬木の地で彼は大聖杯と出会った。彼ですら改良の余地がない真の「魔法」というものに一目で魅せられた。それはもはや恋と呼べるほどの衝動であった。
      ――どうしてもこれが欲しい。いや、作りたい。作り直したい。
      しかし、冬木の地にある大聖杯を当時の彼に動かすことなどできず、ましてや彼に同じものを作ることなどできない。そして、こんな美しいものに手を加えてしまったら、元に戻すこともできない。
      だからこそ彼は12年もの歳月をかけて、彼自身の改良を加えた「疑似大聖杯」を名もなき孤島に作り上げた。

    • 一人の天才と呼ばれた魔術師の魔術回路から作られた大聖杯。それを模すためにヘリアムは数十人、数百人もの魔術師を狩り、彼らの魔術回路を引き抜いて、似た形になるように並び替えた。
      それは膨大な数の古新聞から一文字一文字を抜き出して一冊の辞書を作り上げるかのような無謀な試みだった。
      その為に必要なものは何でも取り入れた。冬木に残された聖杯戦争の残り香から、流れの魔術師一人一人に至るまで何でもだ。

    • 彼が用いる黒白の双剣もその一つ。さるサーヴァントによって礼装に作り替えられてしまった一人のマスターが投影魔術によって産み出していた一対の夫婦剣。彼自身の改良を加え、多少細身となったそれらを主武装として使う。

鶴翼二対砕爪牙(かくよくについそうがをくだく)

  • 黒白の夫婦剣「干将」「莫耶」。これらの互いに引き合う性質を利用した奥義。投擲した一対の夫婦剣による背後からの強襲、加えて手元に投影した夫婦剣による同時攻撃。彼による改良の成果。どちらを躱し、どちらを防いでも一刀を与え得る彼だけの業。

  • ……だが、彼は知らない。長い戦いの果て、英霊と化すまでの長い道のりをこの剣とともに歩んできた名もない誰かは、その先へと既に至っていることを。「二対」のさらなる先「三連」の極致に至ったものの存在を。

  • その事実は、彼の改良が最善ではないことを示している。彼の改良に限界があることのこの上ない証左である。
    それを知ることのできなかった彼は己の起源に絶対の自信に満ちたままの幸福でいられたのだろうか。それを知ることができればあるいは――

その他の人間関係

  • 彼が召喚したサーヴァントはライダー。真名を不死身のコシチェイ。キャスターを粗悪な霊基に仕立て上げ、バーサーカーを論外として切り捨てた彼が望んで選んだ一騎。

  • 多数の宝具を持って現界することが多いライダークラス。それらに自分の改良を加えることができればそれは強力な戦力となる。しかし、己の人生と密接な関係にある宝具に他人の手を加えることを、真っ当な英霊がよしとするはずがない。その為選ばれたのが反英霊であるコシチェイ――加えて彼の持つ宝具には不死身の逸話が存在している。これを利用すれば主従共に不死身の存在として聖杯戦争を有利に進められると判断した。

  • とはいえさすがというべきか、英霊の宝具。コシチェイの六重封印を人間の身体に取り込む改良は彼の技術をもってしても多大な時間がかかり、他の宝具にまで手を入れる余裕はなく、加えて最も強力な「城」の宝具は奪われ使用不能に陥っていた。これらの制約がなければあるいは――というのは今となっては詮無き事ことだろう。

  • ヘリアムがライダーに対して使った令呪は「君の性能をすべて語れ」「君の不死身の由来となる宝具を渡せ」「僕の話を最後まで聞け」となり、最後の令呪に対してヘリアムは自分の話をし続けることでマスター殺しを防ぎ、相互理解を深めようと考えていた。結果としてはそれは成功といってもいいだろう。

  • 当初ライダーにとってはいつでも切り捨てられる手駒の一つとして見られていたが、召喚直後に令呪三画を切ってみせる思い切りの良さ。自身の宝具を改造して見せた手腕、彼自身の語る人生観などを見続けることによって考えを改める。かくしてライダーは生前にはありえなかった、共に世界への略奪を試みる共犯者としてヘリアムを認めたのだった。

聖杯への願い

  • ただ一つ「全人類の改良」。第三魔法「魂の物質化」によって人間を高次元の存在へと押し上げる。
    自身のデザインした新たな生命体へと昇華させることで、ヘリアムは自身に課せられた起源の呪縛から解き放たれるはずだった。この世界を自分が改良したもので満たしてしまえば、もう何かを改良したくなることはないのだから。

  • それが、自殺すら許されない彼の最後にして最良の手段だった。
    ※補足:型月の魔術師は受け継いだ魔術刻印によってそう簡単に死ねない。
    ましてや自殺なんて許されない。根源到達のため、次の世代に継がせなくてはならないのだから。

こぼれ台詞

  • 「令呪のためとは言え、僕ばかり話しているのも退屈だろう。
    たまには君の話を聞かせてくれ。例えば君の願いとか」
  • 「ふむ。語れというのならば語ろう。儂の野望を。儂は美しきものを好む。無垢なるものを好む。
    それらを奪い蹂躙してこその略奪者なのだからな。
    故にこの世にはそれら美しいもので満たされねばならぬ。ならば我が願いは必定であろう」
  • 「……というと?」
  • 「察しの悪いやつよ。この世の遍く人間を愛でがいのある少年少女の姿で固定化することに決まっておろうが!
    儂が認めるのは14歳以下までの風貌のもののみ!」
  • 「………………もしかして君がマリヤではなくその夫のイヴァンを浚ったのって彼の外見がいや、言わなくていい」

エニー・イミクサ

  • 性別:女性
  • 享年:28
  • 身長:168㎝/体重:62㎏
  • 属性:混沌・悪
  • 特技:ジャグリング
  • 好きなもの:度数50以上の酒
  • 苦手なもの:甘いもの
  • 天敵:ヘリアム・グロウディー
    • アサシンのマスター。……になるはずだった女性。魔術師の家系イミクサの当主。竹を割ったようなざっくばらんさと、蛇のような陰湿さを同居させた魔術師。動きやすいラフな格好を好む肉感的な体形で非常に目のやり場に困るタイプ。よく笑う魅力的な外見をしているが、目だけは常に笑っていない。

    • イミクサ家の目的は「人の手によって完璧な武器を産み出すこと」。人の手による芸術を越えて、人々の幻想である宝具、さらにその先にある完全な創造物の創造こそ彼女たちの理論。
      初代イミクサは黄金の王が持つというこの世のあらゆる財を納めた蔵を開く鍵剣――「王律鍵バヴ=イル」にその着想を得た。すなわち、「この世のあらゆる財」とは根源を意味し、それを開く鍵を作り出すことでイミクサの血は根源へと至るのだと。

    • それが時を経て解釈され直した結果、「根源への道を切り開く絶対の剣」という目標となった。あらゆる冶金、錬金、鍛冶、鉱物学、魔術、呪術など、さまざまな武器創造にまつわる技術を取り込み、根源への到達を目指していた。それこそ、千の人間と千の妖を斬った刀は妖気を帯びるなどの民間伝承などすら試すほどに。

    • 内々に籠りやすい一般的な魔術師とは一線を画する、外界への干渉、行動力、殺傷力から時計塔でも眉を顰められていた。といっても人斬りによって奪われる命に対する視点の話ではなく、神秘の秘匿に支障が出るのではないかという視点での話だが。
      その過程で育まれてきたイミクサの技術は極めて高い殺傷力を誇り、事実今回の聖杯戦争に参加したマスターの中では最も危険な人物だった。

    • ヘリアムの招きに応じ、聖杯を自分たちの武器の材料にするため、聖杯戦争へと参加した。その為に少しでも状況を有利にしようと魔術協会の資料などを破棄したりと、背水の陣で臨む。

    • 自分たちの研鑽の成果である魔術刻印を刻んだ「刻成骨剣」そのものを触媒としてアサシンを召喚するが結果は本編の通り。
      秒もかからず首と令呪を斬り落とされ、肝心の刻成骨剣もアサシンに取り込まれて失われる羽目になった。

    • 彼女の親戚や子供は魔術刻印が失われるわ、魔術協会からは手配されるわと、最悪な状況に追い込まれたが、めげずに再起を図るかもしれないしどこかで死んでいるかもしれない。
      あっ、刻印を探しに島に乗り込んだ……あっ襲われた……死んだ……。

聖杯への願い

  • 聖杯を材料にしようとしていたので、特に願いはない。

こぼれ台詞

  • 「成功した。成功した。成功した。成功したぁぁぁあああああ!! ――――がばっ?」
  • 「…………」